デモのスター?

日本の難民認定基準は厳しいっていうけど、それはどんなものなんだろうと思ってたら、今朝の東京新聞に、不認定になった一人のシリア人の話が載っていた。

3月にNHKで、アラブの春以来60人以上のシリア人が難民申請をし、そのうち一人も認められていない。難民申請を認定されなかった4人のシリア人が、東京地裁に提訴するというニュースを見た。今朝の新聞では、2011年以来63人のシリア人が難民申請をして、そのうち認められたのは3人、とあったから、3月の0人から3人には増えたんだな。

法務省のサイトを見たら、平成25年の日本における難民申請数は3260人で、前年比715人増、難民として認定されたのは6人、認定されなかったのは3420人、難民認定はされなかったものの人道的な配慮が必要として在留を認めたのは151人だという。

日本が難民条約に加入したのは1981年で、難民の受け入れが始まってから30年以上が経つそうだけど、難民として認定されたのはごくわずからしい。難民認定申請者数は、1996年から2005年までの10年間で、年平均274人、それが2006年に954人に急上昇、以来年によって変動はあるものの、基本右肩上がりで推移していて、2013年には過去最高の3260人が、難民認定申請をした。

同じ期間に難民として認定された人の数は、1996年から2005年の10年間に、157人。10年間の難民認定率は、約5.7パーセントだ。

その後の2006年から2013年までの8年間の認定申請者数は、総数で、13631人、認定者数は246人、8年間の平均認定率は、1.8パーセントだ。

2011年には、衆参両院の全会一致で、「世界の難民問題の恒久的な解決と難民の保護の質的向上に向けて、アジアそして世界で主導的な役割を担う』という決議を採択したそうだ。これは、難民の保護に国を挙げて取り組むことを宣言する世界で初めての試みだそうだけど、その年の難民認定者数は21人、翌年は18人、さらに次の年には6人。言ってることとやってることが違うのも甚だしい?

朝刊に載っていたシリア人は、3月に不認定になり東京地裁に提訴した4人のシリア人のうちの一人で、22歳の男性。
シリアで民主化運動のデモに参加していた彼は、内戦が激化するにつれ、政権の迫害を恐れ、2012年に出国。英国に向かうはずがブローカーに騙され、8月にたどり着いたのは結局日本。難民認定を申請したけど、2013年2月、不認定になった。
で、その理由が、「デモに参加したとしても大勢の中の一人にすぎず、難民の要件である迫害を受ける恐れがあるとは認められない」。というもの。

デモでもスターにならなきゃ、迫害認定されないってことなんですかね。

 

難民とは、
『1951年の「難民の地位位に関する条約」では、
「人種、宗教、国籍、政治的意見又は特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々、定義されている。今日、難民とは、政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指すようになっている。』
国連難民高等弁務官事務所のサイトより)

この、”迫害”の解釈が、日本はとても狭く、迫害対象として個人が特定された証拠が求められるのだという。

シリア・イラク、アフガンやアフリカからの難民問題でヨーロッパは対応に追われ、難民に関する報道は毎日いくつも目にする。気温が下がり海も荒れる季節になってきても、トルコからギリシャの島々をボートで目指す難民の数は一向に減る気配はないという。
地理的に中東やアフリカに近いヨーロッパは別にしても、オーストラリアやカナダ、アメリカでも難民の受け入れに動いている。
と言っても、世界の国々の中で日本だけが難民受け入れを渋ってるわけではないとは思うけど、安保法案の国会審議の時に、世界の平和と安定に貢献するとか、積極的平和主義とか、特に米軍の支援に関してはお金だけではなく血も汗も流さなければならないとか、そんなことを散々を聞かされてきたから、変わらず一貫した難民認定の厳しさにはものすごく違和感を感じる。