ガザのトンネル

エジプトとガザの間にトンネルがたくさん掘られていて、イスラエルによる厳しい封鎖の続くガザの住民にとって大切な物資の輸入ルート(密輸になるんだろうけど)だったらしい。

1990年代から作られ始めて、2010年の推定で1000本以上のトンネルがあり、7000人が雇用されていたという。トンネルは、家畜、建設資材、車からタバコまで、住民にとっての必需品の輸入の他に、武器や兵士の行き来にも使われていた。

でも、武器や兵士が行き来するってことはイスラエルとエジプトにとっては脅威になるということで、イスラエルもエジプトも空爆や爆撃で、トンネルの破壊を繰り返してきた。
特にここ2年エジプトのトンネル取り締まりは厳しくなってるという。
トンネルを使う密輸業者たちにとって破滅的なトンネル破壊手段は、冠水らしい。
新聞報道によると、ここ数ヶ月で2本のトンネルが冠水で完全に陥没し10本がダメージを受けたという。砲撃によるダメージは修復できるけど、水は壊滅的なダメージらしい。
この夏エジプトは、国境のシナイ側に溝を掘り海からポンプで海水を汲み上げ、一晩で運河を作ってしまったという。その水が2本のトンネルを崩壊させた。

冠水という方法が繰り返されたら、ただでさえ水質の良くないらしいガザの帯水層に塩分というダメージを与えかねないし、近くの農地にも悪影響があるかもしれないという。

 

鬼怒川の氾濫で堤防が決壊して、広範囲に水が広がり大きな被害を出してから、もう1ヶ月経つ。テレビの映像で見た水の勢いは凄いもので、冠水した地域の広さにも驚かされた。翌日だったかそれ以後だったかは覚えてないけど、何台ものポンプで水を川に汲み出していた光景も、なんとなく覚えている。

エジプトはそれと逆の汲み上げをして、運河を作ったんだろうか。それがどんなものなのか、中々想像しきれないけど。

 

トンネルを水で破壊するというこの記事の中で、印象に残ったのは、ガザの国境地帯に住む73歳と74歳の夫婦のエピソードだ。彼らは、イスラエルの砲撃によって、過去にも2回家をかえなければならなかった。けど、今度は、エジプトによって移住させられるのではないかと恐れている。
今、二人は夜になると、家の外で座ってるのだという。水が来たら逃げなきゃいけないかもしれないから。
記事の中に二人の写真が載っていた。白い壁の室内で、白い顎鬚を生やして杖をついている74歳の夫と、青いブラウスに白地のヴェールを巻いている妻。
この人たちが、夜になると、小さな家の外で、水が来るのではと思いながら座ってるのかと想像すると、なんだかやりきれない思いになった。