ハイキュ−!! 18巻  幾望  感想

白鳥沢戦第1セット、ウシワカのパワーに圧倒されて8・17まで点差が開いたところで、ようやくあげたウシワカのサーブを、影山のフェイクからのセットアップで田中が決めたところから始まる。影山のサービスエースとか、ポツポツと烏野も点を取ったけど、結果だけ見れば16・25で白鳥沢が圧倒したセットだった。

立ち上がりは決勝初心者の烏野が、バタバタと地に足がついてない感じで点を取られた。振り返れば夢のなか、みたいな、このまま終わったら最悪の後悔の残る、なんのゲインもない試合になってたんだろうけど、決して付け焼き刃ではない烏野だから、ちゃんと立ち直った。

 

試合で一番盛り上がるのはリベロのスーパーレシーブが出た時だ、と前に西谷さんは言った。
3本くださいと言った約束の3本目で、西谷さんはウシワカのサーブをあげた。スーパーレシーブは、会場も沸かせるかもしれないけど、味方の士気に与える影響の方がきっと何倍も大きいんだろうなぁと思わせるようなレシーブだったと思う。大地さん旭さんはもとより、あの月島にさえ何かを感じさせたようなレシーブだった。

 

ユース日本代表にも選ばれるようなウシワカ擁する全国クラスの白鳥沢って、ハイキュー!!の最初の頃から(影山が落ちたとこって以外でも)散々出てきてた割に、ウシワカ以外シークレット扱いだったから、勝手に想像が膨らんで、てっきり、重苦しい、プライドの塊のような人たちのチームなのかと思ってたんだけど、そういうのをもろに感じさせるのはセッター白布だけのような気がする。
とりあえず、ウシワカ中心のチームだけど怖いのはウシワカだけじゃない、ってのはこの巻でよくわかった。
そのうちの一人ミドルブロッカーの天童さん(天童温泉は山形県の温泉で、泉質は硫酸塩泉だそうです)は、推測のゲスじゃなく下衆のゲスって感じで、気持ち悪いんだけど結構好きなキャラです。

日向の斜め速攻、影山のクロス、視線フェイントからの日向の速攻を3連発で止められて、ベンチ組にも烏野応援団にも、圧倒的な力の差に対する絶望感のようなものさえ漂うけど、そこで心が折られるどころか妖怪顏になる影山はいいね。どこにあげるか容易に読めない完璧なフォームでなおかつ天童さんの頭の真上を打ち抜く選択。技術の裏付けのある負けず嫌いも影山の武器なんだろうなと思う。

 

天童さんのゲスブロックに対しては攻撃面でなんとか影山が対処できそうだけど、守備の方でウシワカをなんとかしないと勝機の見えてこない烏野。
ブロックだけでも、レシーブだけでも単独では止められないから、ブロックとレシーブを意図を持って組み合わせたトータルディフェンスでウシワカに対抗しようという作戦で、それは2セット目の終盤になってようやく形になった。
天童の100か0かのブロックに対して、平均75点のブロックだと自覚しながら、見た目は淡々と、でもプレイはしつこくのブロックを繰り返す月島。
お兄ちゃんとのこだわりが解けてから、東京合宿でバレーにハマる瞬間の存在を知って、いつかは月島にもその瞬間が訪れるんだろうという静かな流れはあったんだけど、いよいよ来るか、ってとこでこの巻は終わります。ここで切るか、って感じ。次まで入れてよって思うけど、次回お楽しみに、ですか。

 

扉絵と裏表紙の二人が、ホント弟愛に溢れていて、この人たち見ると、3歳位の泣き虫の弟の手を引いてるそれぞれの兄と姉の姿が浮かんできて、ほっこり気分になります。