昨日のNHK特集を見て

吉田茂岸信介。昨日のNHK特集はこの2人を軸に日本の戦後70年の連作特集だった。

60年安保改定で起こった国民的な反対運動の高まりの中、岸内閣は退陣した。田原総一郎さんが、あの時デモに参加してたけど、安保の改定の意味なんて全然わからずにデモに参加していた、と言っていた。多分、そういう人は田原さん以外にも大勢いたんだろうと思う。

でも、岸内閣が倒れて、自主憲法制定路線が遠のいて、軽武装経済成長まっしぐらの路線を進むことになったのは結果オーライだったと思う。

岸首相は、安保改定で、それまでの安保条約が日本側の負担ばかりだったのを、アメリカに日本の防衛義務を負わせたことで、国民の支持を得られると目算してた。で、国民の支持を得て、憲法改正自主憲法制定へと進むつもりだったのだという。
が、案に反して、国民の反対運動が盛り上がってしまった。アメリカの戦争に巻き込まれるという反対派の主張は、岸政権の強権的な性格があらわになるとともに、戦争の記憶がまだ生々しかった当時の人たちにすごく響いた、のだという。

 

今回の安全保障関連法案の反対運動も、戦争反対を軸にして盛り上がってろ。

戦争反対なんて、オオカミが来た的なことを、また平和ボケたちが言ってるよ、みたいな反応もあるけど、海外に自衛隊を出すということに対して神経尖らせることがどうして、平和ボケとか、一国平和主義と言われるのか、わかるようでわからない。

安全保障環境の激変っていうのも、オオカミ的っていえばオオカミ的な気もするし。

 

戦前戦中と体制の主流にいた人たちが、戦後の公職追放で不在の間に、吉田茂が、日本の対米従属経済成長優先の方向を形作った。「私の時には金のかかることはアメリカ持ち」って、当時の映像の中で、吉田茂が言ってた。それが、負けっぷりをよくするということだと、解説されてた。

公職追放が解除されて、戦前の指導層が一斉に復帰してくると、大かれ少なかれ戦前回帰の方向を目指した。その中で、現在の安倍首相のおじいさん、岸信介は、対米従属には、反対で、日本の栄光を取り戻す、そのために自主憲法の制定を目指す。

岸さんは、大衆の2、3歩先を行くのが政治家、だと思ってた。国民は政治家についてくればいい。それが彼の民主主義だった、と御厨教授は言ってた。

 

結局岸信介の目指した戦前の栄光を取り戻す、日本の自主独立を目指すという路線は岸内閣の退陣とともに消えた。その後の自民党が、その路線を取らなかったということは、結果的には、国民がそれを望んだから、だったんだと思う。

 

対米従属に反対の立場から安保条約を改正して自主憲法制定を目指した岸信介
孫の安倍首相は、国民の反対にあっても信念を貫いて安保改正を貫いた岸首相を尊敬してるという。退陣後も、自主憲法制定を諦めず、政権復帰を密かに狙っていたという岸信介。孫からすれば、ヒーローなのかも。安倍首相の言う、日本を取り戻す、というのは戦前の大日本国帝国時代の栄光を取り戻すことだとよく言われるけど、おじいさんの足跡をそのまま辿ってるとうことなんだろうか。
対米従属に反対というのがその基本にあったというおじいさんが、今の安保関連法案を読んだら、どんな反応をするんだろう。

 

自民党の谷垣さんが、今回の安保関連法案の反対運動を見て、以前と比べたら(60年安保の反対運動を指してるらしい)大したことない、というようなことを言ってたとニュースで見た。
そんな悠長な反応でいいの?って思う。(まあ、油断してくれたほうがいいと言えばいいけど)
今回、若者が、参加してる。ソーシャルネットを使って、てんでに参加してる。
アラブの春だって、そうやっててんでに参加してきた若者たちが中心になって起こったんじゃなかったっけ。その結果がどうなったかは置いとくとしても。

安全保障関連法案に反対ってのがきっかけだとしても、原発再稼働とか、派遣労働法とか、他にも、安倍政治に対する反対って、底流には暗くて大きな流れがあると思うんだけど。株価上がったって、恩恵受けてんのは本当に一部だって、思ってないんだろうなあ。