トンボの目玉

唐十郎の「二都物語」が、新宿花園神社特設テントで、新宿梁山泊により上演されるという記事が先日、新聞に載っていた。
状況劇場、紅テントという言葉を目にして、なんだか急に懐かしい気分になった。

リアルタイムで状況劇場を体験したことはない。中学生の頃、根津甚八が好きで、高校に入ってから、彼が所属した状況劇場に興味を持って、それから、唐十郎の本を読み始めた。

はっきり言って、作品の意味とか内容とか全然覚えてない。ネットで唐十郎と検索すれば、ずらっと全作品が出てくるような便利な時代ではなかったから、少しずつ手に入る情報から、何件も本屋を周って、1冊の本を手に入れる過程自体も楽しかったんだろうと思う。

意味はわからないながらも、読んでてわいてくるイメージにすごく惹かれたことは覚えている。紅い腰巻と水と、何かを探して彷徨い続ける人のイメージ。
戯曲ではないけど、オニヤンマ(ギンヤンマかも)の目玉を集める少年がポケットの中のたくさんの目玉を握るシーンがあって、そのどろっとした感じは、今も何かの折に頭をよぎることがある。自分でトンボの目玉を集めていたというわけではないけれど。(小学生の時ダンゴムシは集めてたことがある。でも、ポケットには入れてなかった)

って、書いてたらすごく読みたくなってしまった。なのに、今手元に一冊もない。何年か前に、もう読むことはないだろうと思った本を整理したことがあったけど、その時にどっかへやってしまったのかもしれない。ないとなると余計に読みたい。すごく読みたい。