ハイキュー!! 1巻 日向と影山 感想

少年ジャンプで連載4年目に突入した高校男子バレーボール部を舞台にした”ハイキュー!!”。

単行本は5月に16巻が発売された。1巻には第1話『終わりと始まり』から第7話『”持たざるもの”のことば』までが収録されてる。

この漫画の主人公は、身長162センチと小柄だけど、抜群の運動能力を持つ日向と、バレーボールに関しては体格にも才能にも恵まれた天才セッターと評価されるものの、性格に難ありの影山の二人。

小学生の時に、テレビで放映されたバレーボールの全国大会でスパイカーとして活躍する小さな巨人と言われた選手を見て憧れ、中学でバレーボール部に入った日向。他に部員のない中、たった一人で丸2年頑張ってきた日向が、中3でなんとか6人揃えて初めて出た試合で、当たったのが、影山のいる優勝候補の強豪校。
飛ぶことに対して自信を持っていた日向だったけど、当然ぼろ負け。最初で最後の試合がたった31分で終わってしまった日向に、その運動能力の高さと、勝利への執着に目を見張った影山が追い打ちをかけるように、「お前は、3年間何をやってたんだ』とたたみかけた。日向は”コート上の王様”という異名を持つ影山にリベンジを誓って、かつて小さな巨人の活躍した高校に入学する。で、そこで、なぜか影山と再会。

バレーボール部に入部届けを出したものの、初日から反目し合う二人にブチ切れた部長から体育館出入禁止を言い渡される。それでも粘る二人に、他の入部予定の新入生を交えた3対3の試合で勝ったらセッターとして入部を認めるということになり、二人は他の先輩に、部長には内緒の助けを借りながら勝利に向けて練習を始める。

”コート上の王様”って、肯定的な響きの異名だけど、それを言われると、影山はなぜか常に切れる。
で、入部予定の新入生二人との、かなり悪い出会いがあり、試合当日を迎える。その試合の中で、影山の”コート上の王様”という異名の由来が語られる。

ここまで、影山は、目つきは悪いし、態度はでかいし、口は悪いし、日向じゃなくても印象としてはかなり悪いんだけど、異名の由来が明らかになると、その印象が逆転する。そうか、そんなきつい経験をしたんだと思うと、それまでのひどい態度も、見る目が変わって、読み返してしまった。
まるで自分一人でバレーボールをやってるかのような態度に、もうついていけないと中学時代チームメイトに試合中に、拒絶された影山。トスを上げた先に誰も飛んでいなかったというセッターにとって心底怖い(らしい)トラウマを抱えていた影山。

1巻では日向のほんとまっすぐなとこがあちこちに出てくるんだけど、やっぱり影山のトラウマが明かされるシーンが、ハイライトかなあ、と思う。
チームメイトに拒絶され、監督からはもう下がれと、まるで最後通牒のような言い渡され方をした影山の呆然とした表樹が、印象的。この人は、才能が”空回り”して、周りはその高い要求についていけず、かといって、立ち止まることもできず、周囲には横暴としか見えなかったんだろうなあと思う。

でも、日向の真っ直ぐさとは形は違うけど、影山も真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐ。態度が悪くてそう思えないとこもあるけど。
大地さんに『本音は』と聞かれて正直に答えちゃうとことか、セッター愛を語るとことか、なんかうまいこと日向を使ってやれるんじゃないのと菅さんに言われて考えてしまうとことか、反応が素直。
『トスを上げた先に誰もいないのは心底怖え』といってしまうのも、素直といえばあまりに素直で無防備。
ここから、8巻で、青城に負けるとこまでは、影山の成長物語といってもいいくらい、1巻で明らかにされたトラウマを影山が克服していくまでを、チームとしての烏野と絡めて描いてる。

第1話で、絵がちょっとごちゃごちゃしてるとこを敬遠してたんだけど、読み進むにつれてスッキリしてきて、すっかりハマってしまった。タイトル通り、日向と影山の二人の、なんか応援したくなるひたむきさがよくわかる1冊だと思う。