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テロに屈しない?

イスラム国に囚われていた後藤さんが殺害された。日本は英米とは違う、と、なんとなく思い込んでいたけれど、そんな甘いものではなかった。

安倍首相の2億ドル発言や、自衛隊の邦人救出への法整備やら、気にかかることがたくさんあって、忘れないうちに書いておこうと思ったけど、途中で手が止まってしまった。勇ましい言葉の羅列を読んでいるだけで、疲れてしまった。

公開されたという後藤さんの最後のビデオは見ていない。その様子を描写した記事を読んだだけだ。淡々と描かれているそのシーンに、後藤さんの感じたかもしれない、多分感じただろう恐怖と、無念を思うと、胸が苦しくなる。もちろん、想像したってしきれるものではないけれど。

過去の取材ビデオや講演ビデオに映る後藤さんは、穏やかな話しぶりが印象的だった。何度も危険をくぐり抜けて、きっと数え切れないほどの悲惨な場面も見てきただろう人が、穏やかに語る。

殺害された人質の中には、ジャーナリストだけでなく、現地の子供達に救援物資を届けるような、人道支援に携わっていた人たちもいた。

後藤さんは、テロとの戦いを声高に叫ぶのではなく、あっち側もこっち側もなく、本当の犠牲者は誰なのか、危険を覚悟で、一人でも多くの人に知らせるという行動をすることで、戦っていたんだろうと思う。
安全なところから、テロに屈しないと言うだけなら、臆病な自分にもできる。