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フランスつながりで思い出した写真

報道によると、先週のパリの一連のテロ事件以降、すでにある対テロ法をさらに強化してフランス版愛国者法が必要だという声が、フランスで上がっているという。
詳細ははっきりしないけど国民への監視をもっと強化する権限を当局に与えろということも含むらしい。

市民の自由とテロとの戦いをどうのうように両立させるか、9.11以降アメリカが向き合い続けている問題にフランスも取り組もうとしている。
イスラム国を空爆して武力で叩いて蹴散らすというのもテロとの戦いなんだろうけど、恐怖とパニックに打ち勝って”自由”を守るのもテロとの戦いなんだろうと思う。

もし日本が武闘派の戦いの方に参戦して、テロの標的になった時、自由を守るためのテロとの戦いはどういう風になるだろう。もしかすると”戦い”にさえならないかもしれない。

なんてことをつらつら思ってたら、子供の頃家にあった戦争の報道写真集に載っていた一枚の写真を思い出した。

フランスのどこかで丸坊主の若い女性が赤ちゃんを抱いて、群衆に取り囲まれて歩いてるという写真だ。
思い出しついでに引越しの時一緒に持ってきたその写真集を引っ張り出して、探してみた。

1944年8月、対独協力者の摘発が始まったフランスのシャルトルという街での写真だった。ドイツ人の子供を産んだその若い女性は、丸坊主にされ町中を引き回された、と説明があった。彼女はまだ首も座らないような赤ん坊を抱いて警官らしい人物と一緒に歩いている。よく見ると腰に縄のようなものが結ばれ、横の警官らしき人物がそれを握っているようにも見える。
その周りを群衆が取り囲むように歩いている。「怒号が嵐のように彼女を襲う」と説明にあった。ニヤニヤしながら眺める若い男や、物珍しい見せ物でも見てるような怖いもの見たさ感いっぱいの少女。丸坊主の彼女を見ている群衆の多くは、怒ってるというより何かにエキサイトして楽しげに見える。殴る蹴るではないけど、集団リンチってこんな風な表情でおこなわれるのか?と思う。

他に悲惨な場面がたくさんある写真集の中で、割と地味目な一枚だけど、この写真は、覚えていた。周りの人の笑顔と、丸坊主の彼女の対比が多分子ども心に残ったんだろう。